【 シロクマ冬眠記!】

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写真で綴る徒然日記

レーサーの死

…という本がある。
会社の友人に薦められて読み始めたのだが、
たまたま今、仕事でセナの写真を整理していた。
最後のレース、1994年5月1日のサンマリノGP。
そのスターティンググリッドでのセナの写真や、
赤旗中断によってホームストレートで止められる、
当時ベネトンのシューマッハの写真などがあった。

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で、この「レーサーの死」という本の第一章に
セナの事故のことが書かれている。
当時自分も見ていた映像。
あのフジテレビの衝撃的な中継。
今でも覚えている。ヘリコプターからの空撮で見えた状況。
散乱しているように見えた血まみれの布のような物。
全てを隠そうとするかのように周りを囲むブラインド。
そして、一瞬動いたセナの頭。
実況も、そして一部の人達もあれに望みを持ったようだが、
あの頭の動きを見て自分は、「あ。駄目かな。」
と思ったことを覚えている。
更に、解説の今宮純さんの嗚咽混じりの、
しかし力強い「それでもF1は続いていくんです」
という言葉。

彼はほぼ即死だったそうだ。
時速約二百キロでコンクリートウォールに叩きつけられ、
おおよそ数百Gという衝撃が頭部を襲い、
更に、折れたサスペンションアームが頭を貫いていたそうだ。
書くのもつらい。。。
あの日、サンマリノGP7周目。
コースを外れていくセナは、
しかし、最後までレコードラインを見続けていたと言われている。

やはりあれ以来急速に自分の中からも、
F1が薄れていったような気がする。
それこそ今はまた復活しているが、
ビルヌーブやヒルの全盛期はほとんど見ていない。
自分にとってのセナは、決して好きなドライバーではなかった。
むしろ、あの完璧に、そして神のように速いセナを嫌悪した。
が、嫌悪してもなお、彼はスターだった。
本当に速かった。恐ろしいほどに...
そう。本当に神がかっていた。
そして、彼自身もそう口にした。
スーパースターが現役中に、しかもそのプレイグラウンドで
亡くなるスポーツなんてそうはない。
そういう意味では、モータースポーツは特異なスポーツだ。
やはり“死”の影はつきまとう。
最近でも、二輪の加藤大二郎の事故なども記憶に新しい。

近年のF1は非常に安全だと言われている。
確かに当時よりは格段に安全になっている。
その証拠に、セナの事故以来死亡事故は無いはずだ。
だが忘れてはいけない。セナの事故も...
正確には前日に事故死しているローランド・ラッツェンバーガー
の事故も、14年ぶりの死亡事故だったはずだ。
アクシデントは、時に人を魅了する。
死は、その全てを伝説化する。
そして、人は多々慢心する。

今や当時のセナの年齢を超えたシューマッハは、
この事故を真後ろで見ていたドライバーだ。
彼は今でも、セナを追い続けているのだろうか。

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写真は、カメラマンからもらったセナの写真を複写しちゃいました。
M,Wカメラマンごめんなさい。
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by whitekuma | 2006-07-08 01:06