【 シロクマ冬眠記!】

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写真で綴る徒然日記

96歳の道江さん

明治45年5月15日生まれ。
当年とって、96歳。
祖父の姉。道江さん。
愛称は「ペンペンおばちゃん」
三味線をいつも弾いていたので、「ペンペンおばちゃん」
長唄の先生だ。ちなみに、長唄の師匠としては「六道江」という。
昔は一緒に住んでいて、よくお弟子さんが来ていたっけ。

今日は、久しぶりにそのおばちゃんのとこへ行ってきた。
場所は八王子。
書類を取りに行っただけなので、すぐに退散するつもりだったが、
ほうじ茶三杯とようかん、ミカンをご馳走になりながら、約一時間半お話をしてきた。

このおばちゃん、お婆ちゃんではなく、あくまで“おばちゃん”だ。
それは、続柄とかの問題ではなく、まぁ死ぬほど元気。
だから、お婆ちゃんではなく、“おばちゃん”。
相変わらず忙しい日々を過ごしているそうで、
将棋、麻雀、トランプ、ヨガの各教室や、山岳会のスケッチ部、
長唄は今でも八王子から千葉まで自力で行って教えているそうな。
そういえば先日、先方に杖を忘れてきたとのこと。
忘れてくる程度にしか杖が必要じゃないんだな…と。

日曜日は、「スケッチの展覧会へ出品した作品を蒲田まで取りに行く」
と言っていたし、「そろそろまた高尾山に登ろうか」…とも言っていたし、
「お土産沢山の旅行に申し込もうか」、などとも。
ま、妖怪ですわ。妖怪。

「さすがに最近物忘れが激しくてねぇ~」
(イヤ…そりゃそうでしょうよ…96にもなりゃ…^^;)
「昨日も歯医者の時間を間違えて一時間早く行っちゃったのよ」
(ん~ん?歯医者?その歳で?うわ!部分入れ歯しかしてねぇ…)

とまぁこんな調子。

そして、その後は珍しく、あまり聞いたことの無い戦争の話へ。
昔の話をするとは…ってか、俺とこうして長々と話をしている時点で、
ま、年取ったわね…って、そりゃそうだ…なんつっても96だから…。

当時谷中に住んでいた一家が遭遇した空襲の話。
当時から長唄をやっていたが、遊んでいるようで国賊扱いされそうになり、
とりあえず近くの陸軍気象部に勤めた話。
月給50円。一ヶ月しか勤務していないのに、終戦後退職金が出たそうな。
さすがのおばちゃんも気が引けたらしく、一番薄い封筒をもらってきたらしいが、
その金額、二千円。月給で単純に換算してみると、おおよそ800万円とかいう数字。
しかし時は終戦直後。貨幣価値もさることながら、金を貰ったところで、
「物が無けりゃ意味が無い」とおばちゃん。確かにそうだ。
そこで、結構疑問に思っていたことを聞いてみた。
1945年8月15日。終戦の日。この日を境に何か変わったのか?と。
するとおばちゃん、「変わったのは空襲が無くなったってだけのこと」
「物が無いのは変わらなかったからね」と。

ん~なるほど。

それから何の話から発展したのか、写真の話になった。
そこで出てきたのがこの写真↓
b0054498_1294542.jpg
デジカメで複写したのであまりキレイではないが、
これ、おばちゃん一家、つまりウチのお爺ちゃん達一家の写真。
恐らく大正時代に撮られたものだろう。

左上が曾お爺ちゃん。
中上がこのおばちゃん。
右上は曾お婆ちゃん。俺が小学生の時に亡くなった。小生意気な婆さん^^;
右下はお爺ちゃん。ただいま入院中。
左下はその妹さん。若くして結核で亡くなったそうな。ってか…カワイイ…*^^*?
ここには当然写っていないが、お婆ちゃんの生前の話だと、この妹さん、
とても優しくてイイ人だったらしい。「美人薄命」とはこのことか…;
そしてそして、中下で猫を抱くのはナント!曾お爺ちゃんのお母さん。
ヒイヒイお婆ちゃん?もうよく分からん…
天保十何年の生まれらしく、京都出身のお公家さん?とのこと。
当時の京都言葉を話していたらしく、おばちゃんはとても好きなお婆ちゃんだったと。
(もう関係性がワヤになってますが…)

うへぇ~歴史だ、歴史。当家の歴史がここにある。
もちろん、この手の写真を見たことはあったかもしれないけど、
更に生の証言付きってのが、これほどリアリティーに溢れるとは。

更にこの写真↓
b0054498_1374624.jpg
ぬわんと!明治時代の写真であることが判明!
写っているのは、曾お爺ちゃんの親族達らしい。

「これは曾お爺さんの兄弟で、こっちは誰々で、これは確か同じ歳の…」
と、細かく説明してくれるおばちゃん。

ん~こんな写真、ウチにあったところで、誰が誰なのか証言する人はもう居ない。
そうすると、写真の価値ってなんだろーなー、と改めて思うと共に、
初めて「家族」とか「繋がり」ってか、「紡いでいくもの」ってのを、
ちょっとだけ感じたなぁ~。
ちなみに、知らない男性のピンの写真があり、
「関係無い人だけど、当時よくウチに来ていた人なのよ」
とおばちゃんは言っていたが、知らない人の写真持っていくか?
あぁ~もしかして若かりし頃…
ちなみにおばちゃんは96歳で独身だ。一人身でここまできた。
とはいえ、寂しさなんて無縁な人だし、人生楽しいことだらけって顔に書いてあるし、
ん~やっぱ幸せって生き方次第だな、と改めて思った。

まぁまぁ、多分忙しくて死んでる暇なんて無いでしょうが、
願わくば、“ポックリ”逝ってくださいな。
ま、当人もそれを望んでると言っていたし、
あそこまで意思があれば、きっとそうなることでしょう。

今日は「96歳の妖怪」に、なんだか精気をもらってきたきがしたのでした。

では、また来ますね。
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by whitekuma | 2008-11-23 01:44